騒音・振動

音とは何か

音とは、空気の中に、圧力が平均(大気圧)より高い部分と低い部分とができて、それが波(音波)として伝わっていく現象です。

ものをたたくといった、何かのきっかけで空気が押されたとします。すると、押された空気が密集して、まわりより圧力の高い部分(密と呼びます)ができ、この密の部分は隣の空気を押します。そうすると、その押された部分の空気の圧力が高くなって密となり、またその隣の空気を押す、ということが次々に繰り返されます。一方、圧力が高くなった密の部分の間には空気がまばらで圧力の低い部分(疎と呼びます)ができます。このようにして、平均より圧力の高い部分と低い部分が交互に生まれて、空気の弾性(バネのように、押し縮めたり引き伸ばしたりすると、もとの体積に戻ろうとする性質)によって、伸び縮みするように空気中の波として次々と伝わっていきます。これが、音の基本的なイメージです。

正確には、音を伝える物質(これを媒質といいます)は空気とは限らず、他の気体や、固体あるいは液体も音を伝えることができます。媒質がないと音は伝わりませんので、真空中では音は生じません。

このように、気体、固体、液体のいずれも音の媒質となりえますので、それに対応して、音は、空気伝搬音(空気音)、固体伝搬音(固体音)、水中伝搬音(水中音)に区別されます。

マンションの部屋同士での騒音の紛争では、多く問題となるのは固体音です。マンションにおける固体音は、機械などの振動が建物の構造体(固体)を伝搬し、この振動によって壁や天井から放射された音です。放射された音は空気音ですが、伝搬経路が固体伝搬の場合には固体音といいます。

厳密な言葉の定義としては、上に述べた、媒質中を伝わる弾性波という物理現象は「音波」であり、これに対して、音波によって人に引き起こされる聴覚的感覚、つまり音波が耳に届いて鼓膜を振動させ、耳の聴覚器官から脳に神経信号が送られて生じる「音が聞こえる」という感覚が「音」です。しかし、一般的には、「音」という言葉は、音波と、音波によって引き起こされる感覚の両方を意味する言葉として使われます。

※この項目について詳しくは、「騒音・低周波音・振動の紛争解決ガイドブック」18~23ページを御参照ください。