悪臭

悪臭防止法の歴史と概要

昭和42年に制定された公害対策基本法の2条で、悪臭は、いわゆる典型7公害の一つに指定されました(他の6つは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下です。この公害対策基本法2条による典型7公害の指定は、平成5年に制定された環境基本法2条に引き継がれています)。しかし、悪臭を規制する法律である悪臭防止法が制定されたのはその4年後の昭和46年のことであり(成立は同年5月21日、公布は同年6月1日)、施行は翌年の昭和47年5月31日です。

その後、悪臭防止法は何度も改正されていますが、最も重要な改正は平成7年の改正であり(平成7年4月14日成立、同月21日公布、平成8年4月1日施行)、この改正では、悪臭の測定方法として従来採用されていた機器分析法(法律で指定された、個々の悪臭原因物質=特定悪臭物質の濃度を測定する方法)のほか、嗅覚測定法(悪臭の成分を問わず、人の嗅覚によって測定する方法)も採用されました。

現在は、地域ごとに、この2つの方法のいずれかによって悪臭の規制がされます。いずれの方法によるかは、都道府県知事(市の区域については市長)が地域ごとに定めることになっています。

悪臭防止法が規制しているのは「工場その他の事業場」から発生する悪臭であり、一般家庭から発生する悪臭は対象ではありませんが、「工場その他の事業場」に該当するものであれば、事業の種類や規模を問わず規制対象となります(騒音や振動と異なる点です)。ただ、規制対象は固定された発生源のみであり、自動車、船舶、航空機等の移動する悪臭発生源については規制の対象ではありません。

なお、悪臭については環境基準というものはありません。この点は振動と同じであり、騒音と異なります。